西武廃部。。。 |
<アイスホッケー>西武の廃部を正式発表 不況が大きな影(毎日.jp)
世界的な不況が、国内スポーツ界にも大きな影を落とし始めた。19日、長く日本のアイスホッケー界をリードしてきた「西武プリンスラビッツ」の今季限りでの廃部が発表された。五輪などの日本代表でも中核を成すチームの消滅は、今後の日本アイスホッケーの存続に大きな影響を及ぼす懸念もある。厳しい経済情勢の下、各企業がその象徴としてきたスポーツをも「聖域」とできない現実を、改めて突きつけた形だ。
西武プリンスラビッツを運営するプリンスホテルの渡辺幸弘社長は19日、東京都内で会見。「36年の歴史を持つアイスホッケー部の活動終了は苦渋の決断。昨今の経済環境悪化と先行き不透明な状況下で、年間約5億円という経費実績の高い部活動運営を続けられないと判断した」と、廃部に至った経緯を説明した。ホテル・レジャー事業などを展開する同社は、経営悪化が表面化した2006年以降、宿泊施設やスポーツ関連事業の見直しを進めてきた。アイスホッケー部も「最近3年間の運営経費が赤字となり、今春ごろから廃部の検討を始めた」(渡辺社長)という。すでにグループ外の企業等で、チーム全体を受け入れ可能な相手との交渉を始めている。チームの本拠地で西武グループ所有の「ダイドードリンコアイスアリーナ」(東京都西東京市)や、クラブ組織の女子チームは存続する方針。チームスタッフには17日に経緯を説明し、部員には19日朝に社長自らが廃部を伝えた。
アイスホッケー部は現在、スタッフを含め33人。選手は25人で、他に、来春の入部予定者が3人いるという。小山内幹雄オーナー代行は「内定者の、社員としての入社は保証する。競技を続けたい場合は現役部員と一緒で、個別に交渉に応じていきたい」と話した。
西武アイスホッケー部は72年に「西武鉄道アイスホッケー部」から分離した「国土計画」(のちコクド)が前身。日本リーグで通算13回、全日本選手権で計10回優勝した。03年に西武鉄道の廃部に伴って両チームを統合。中国、韓国等のチームが参加して03年から始まった「アジアリーグ」(今季は7チームが参加)では2回優勝。今季のリーグ戦でも2位(19日現在)につけている。
西武のメンバーは、10年冬季バンクーバー五輪の出場を目指す日本代表の中核で、11月の予選(ポーランド)の代表23人のうち、8選手を占めていた。日本アイスホッケー連盟の渕上英機専務理事は「決定を重く受け止めている。後継チームの問題など、まだ流動的な面もあるが、国内競技界が一体になって難しい局面を乗り切らなければならない」と話した。